【現役整備士が解説】なぜ部品代より工賃が高いことがあるの?整備工場の工賃について
車検や修理の見積もりを見ると、
「部品代より工賃の方が高い」
と感じることがあります。
中には、
「部品交換するだけなのにそんなにかかるの?」
と思う方もいるかもしれません。
今回は現役整備士の視点から、整備工場の工賃について解説します。
工賃は部品代ではなく作業に対する費用
まず知っておきたいのは、
工賃は部品そのものの価格ではなく、
作業に対する費用ということです。
整備士は、
- 点検
- 診断
- 分解
- 組付け
- 調整
- 確認作業
を行っています。
そのため部品代とは別に工賃が発生します。
部品交換は交換するだけではない
例えばブレーキパッド交換。
一見すると部品を交換するだけに見えるかもしれません。
しかし実際には、
- タイヤ脱着
- ブレーキ点検
- 清掃
- 組付け
- 作動確認
なども行います。
安全にお返しするためには交換後の確認も重要な作業です。
工賃は標準作業時間を参考にしている
整備工場では工賃を算出する際に、標準作業時間を参考にすることがあります。
自動車整備業界には標準作業点数表などがあり、
- ブレーキパッド交換
- ウォーターポンプ交換
- クラッチ交換
など車種ごとに標準的な作業時間の目安が設定されています。
整備工場はそれらを参考にしながら工賃を算出しています。
そのため工賃は単純な部品代ではなく、作業時間や技術料を含めた金額になります。
同じ作業でも難易度は違う
ただし、標準作業時間通りに進むとは限りません。
例えば、
- 年式の古い車
- 過走行車
- 錆が多い車
- カスタム車両
などでは作業難易度が上がることがあります。
ボルトの固着や部品の劣化によって想定以上に時間がかかることも珍しくありません。
逆に整備士が慣れている作業では、標準時間より早く終わる場合もあります。
分解に時間がかかる車もある
最近の車は部品が密集していることも多く、
一つの部品を交換するために、
複数の部品を取り外さなければならない場合があります。
例えばバッテリー交換一つでも、
カバーや補機類の脱着が必要になる車種もあります。
見た目以上に作業工程が多いこともあります。
特殊工具や設備も必要
整備工場では、
- リフト
- 診断機
- 測定機器
- エーミング設備
- 専用工具
などを使用しています。
最近の車ほど設備投資が必要になるため、それらを維持していく費用も必要になります。
見えない作業も多い
お客様から見えない部分にも時間がかかっています。
例えば、
- 故障診断
- 試運転
- 部品検索
- 見積もり作成
- 作業後の確認
などです。
実際の修理作業以外にも様々な工程があります。
工賃が高いのではなく作業量が多い場合もある
見積もりを見ると工賃だけが目立つことがあります。
しかしその中には、
安全に修理するための確認作業や調整作業も含まれています。
特にブレーキや足回りなど、安全に関わる部分は慎重な作業が求められます。
現役整備士として思うこと
部品は誰が交換しても同じかもしれません。
しかし、
- 正しく診断する
- 正しく修理する
- 安全に確認する
という部分には整備士の経験や技術が関わってきます。
工賃は単なる作業代ではなく、そうした技術料としての意味もあると私は考えています。
まとめ
工賃は部品代とは別に発生する作業費用です。
整備工場では標準作業時間を参考にしながら工賃を算出しており、車種や車両状態によって作業内容も変わります。
見積もりを見る際は、
「部品代が高い」
「工賃が高い」
だけではなく、
どのような作業が含まれているのか確認してみることをおすすめします。
内容を理解すると、整備の見方も少し変わるかもしれません。

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